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虐殺器官 | 伊藤計劃 補完計画 vol.1

虐殺器官

 

 

Spoiler Warning——ネタバレを含みます

 

昨年の年の瀬、読書好きの友人から1冊の小説を薦められた。アニメ風のイラストが描かれた表紙が目に入った瞬間、ライトノベルのようなさくっと読めるエンタメ小説なんだろうなと思った。だが、冒頭10ページを読んだ頃には伊藤計劃の描く魅力的な世界に引きずり込まれていた。『虐殺器官』は重厚な骨太の傑作エンタメ小説だった。

 

習慣的に小説や映画などのコンテンツを消費していると、時おり人生に多大な影響を与えるほどの作品と出会うことがある。天啓を受けたように、自身の基盤となっていた信条を根底から揺るがすエッジの利いた作品たちに。『虐殺器官』もまた、そんな尖りに尖りまくった運命的な1冊だった。

 

伊藤計劃という天才

時代の潮流を変えてしまうような、新しいクリエイターが業界に颯爽と登場すると、人々は口を揃えて「天才」や「鬼才」という称号の安売りを始める。どこかチープな響きのある称号だから、使いたくはなかったのだけれど、伊藤計劃という人物は「天才」と形容するしかないほどに天才的だ。巻末の対談で円城 塔氏も言っていたが、『虐殺器官』を書き上げるのに一体どれくらいのリサーチをしたのだろう。たった数ページの中にさえ、伊藤計劃の圧倒的なインプット量が垣間見える。しかも、『虐殺器官』をたった10日で書き上げたというのだから、やはり天才としか言いようがない。映画的バックボーンに裏打ちされたアメリカンな文化感覚は、あまりにも日本人離れしていて邦訳した海外小説を読んでいるような錯覚に陥る。映画だけに留まらず、絵画・小説・哲学・言語学と様々なジャンルを横断した知識が、伊藤計劃の描く世界観にしたたかな説得力を与えている。

 

さらに、伊藤計劃の筆致が光るのはキャラクターのダイアローグ・シーンだ。まるで洋画を見ているかのような洗練された、無駄のないセリフ。ときにユーモアを交えながら展開されるセリフは、キャラクターの信条や言外の機微を含んで文字以上の情報量を読者に与える。

かつてあなたがたアメリカは、世界に自由と民主主義を輸出していたじゃないですか。あれは立派な啓蒙だ。

本文 P.179

 

糞悪いって、それは映像のグロテスクさではなく、むしろその逆————こうして映像で見ているぶんには、人間の丸焼きだろうと内蔵だろうとたっぷりの血だろうと、きれいに脱臭されていて、ぜんぜん胸糞悪くならないから————その胸糞悪くならなさが最高に胸糞悪い。

本文 P.245

 

そして、作品の世界観を構成する緻密な設定。世界を一から構築するファンタジーやSFといったジャンルは、往々にして世界観を構築する設定や技術をくどくどと説明しがちだ。だが、伊藤計劃はそんな無粋な真似はしない。緻密な設定を、それと意識させることなくすんなりと読者に提示する。このバランス感覚も、伊藤計劃を天才たらしめる理由のひとつだ。そして、徐々に積み重なっていく設定の数々が『虐殺器官』の世界観に強固な説得力を持たせ、読者を圧倒的なグルーヴ感の渦へと放り込む。

 

言葉のフェティシズム

『虐殺器官』の主人公クラヴィス・シェパードは、感情適合調整を施された軍人に似つかわしくないナイーブな人間だ。繰り返しフラッシュバックする母の死にうなされ、同僚のウィリアムズが油まみれの手でデバイスを触ることに激しい嫌悪感を抱く。伊藤計劃は、フィッツジェラルドやサリンジャーのような、壊れやすいほど繊細でセンチメンタルな視点でクラヴィス・シェパードというキャラクターを描いた。

 

信じられないことに、ハラペーニョの油でぬるぬるした指先のままポケットに手を突っ込み、いささか躊躇することもなく通話ボタンを押した。自分のモブだからそうしようと勝手だが、ぼくはこれが生理的に受け付けない。

本文 P.80

 

そんな細やかな機微を見せるクラヴィスを支配しているのは、「言葉」だ。母親の延命措置を止めたのはクラヴィス自身の言葉だったし、彼が心惹かれるルツィア・シュクロウプは「言葉が人間の行動にいかに影響を及ぼすか」を研究していた。本文中でクラヴィスは、言葉が「リアルな手触りをもつ実体ある存在」として感じられると言っている。

 

クラヴィスが「言葉」について語るとき、その表記は「言葉」ではなく「ことば」となっている。彼にとって「言葉」は単なる文字の羅列ではなく、確かな実体をもった力なのだ。そして、その力によってクラヴィス自身は心を拘束されている。

 

『虐殺器官』のヴィラン、虐殺の帝王(ロードオブジェノサイド)、ジョン・ポールもまた「深層文法」という「言葉」を操ることで、無辜の人々を虐殺へと駆り立てる。

ぼくにとってことばは、実体としてぼくの外にある塊であり、確かな実在物として感じられるがゆえに、それがぼくという人格に影響を及ぼしているとはどうしても思えなかったのだ。

本文 P.122

 

ルツィア・シュクロウプは、クラヴィスとの会話の中で「言葉は思考に先行する」と主張する。言語は思考の対象であって、思考より大きな枠ではないのだと。その例として、言葉よりも先にイメージが浮かんだ結果、相対性理論を完成させたアインシュタインを挙げている。つまり、言語は生存適応の過程で人類が獲得した進化の産物に過ぎないということだ。

 

人類の祖先は生き延びるために、そのための情報を個体間で比較するために自分と他人を分かつ概念、つまり「自我」を生み出した。自分を他人と比較することで、生存の確率を上げ、その情報を共有するために言葉が生まれたというのだ。そして、ルツィアはこう締めくくる————言葉はコミュニケーションの器官であると。肝臓や心臓、脳などと同じ人間に備わった器官であると。

 

「言葉」を操り、ハーメルンの笛吹きのように虐殺を繰り返すジョン・ポールは、「言葉」についてこう語る。言葉に意味なんてないのではないか?好きだとか、嫌いだとか、そういったシンプルな感情をえらく遠回しに表現しているに過ぎないのではないか。つまり、こういうことだ。映画の評論は、つまるところ面白かったか、つまらなかったかという判断を何千文字もかけて縷々と語っているに過ぎないのではないか。私の高校の担任教諭が言っていた。評論とは「面白い」と言わずして、作品の「面白さ」を表現する営みだと。

 

理解できない文化は排斥の対象になりやすいのと同じくらい、崇拝や美化の対象になりやすいんだよ。エキゾチック、とか、オリエンタル、とかいう言葉のもつクールさは、理解できない文化的コードから発しているというべきだね

本文 P.41

 

ジョン・ポールはクラヴィスが「言葉」に縛られているのと対照的に、「言葉」を軽快に用いて人々を虐殺へと導く。さながら、音楽を奏でるかのように。言語学者であるジョン・ポールの主張によれば、虐殺には文法が存在するらしい。「深層文法」と呼ばれるそれは、言語学者でなければ見えないが、たしかに存在するのだと虐殺の旅人は滔々と語る。

 

「深層文法」について、ジョン・ポールは混成語(クレオール)を引き合いに出して、生得的な文の生成機能であると説く。遺伝子に刻まれた脳の機能、言語を生み出す器官————それが「深層文法」であると。また、「深層文法」は人類がまだ食糧生産をコントロールできなかった時代の名残であり、食糧不足に対する適応の結果獲得したものだという。虐殺行為によって個体数が減れば、食糧の確保が安定し人類は生き延びることが可能になるというわけだ。

 

彼の言によれば、「深層文法」によって人々が虐殺を始めるメカニズムはこういうことになる。虐殺の文法を聴き続けた人間の脳には、変化が生じる。倫理的な価値判断を担う脳の機能部位が活動を控え、良心の方向が虐殺という御旗に向かって捻じ曲げられる。虐殺の起こった場所で、その兆しとして深層文法が語られるのならば、逆に争いのない場所で深層文法を用いるとどうなるか。結果は火を見るより明らかだ。

 

この「深層文法」、原理的にはクラヴィスが作戦前に受けている戦闘感情適応調整と同じだという。脳のモジュールにマスキングを施し、良心を限定的に抑制する。

 

本当にそんなことが可能なのか、と猜疑的になる読者もいるかもしれない。私自身、初めて読んだときは「そんなアホな……」と疑いながらも、そんな疑念を踏み潰すほどの理論武装に圧倒され、チューバッカ弁論を聴いた後のような感覚に陥った。これだけの設定を考えるのに、伊藤計劃はいったい何冊の言語学関連の書籍を読んだのだろうか。言語学に関してド素人の自分よりも、圧倒的なインプットに裏打ちされた伊藤計劃の設定を信じてみよう、そう思えるほどに設定のディテールが緻密なのだ。精密機器のように、細かいディテールで構成された設定。そして、それを丁寧に組み立てる非凡な筆力。『虐殺器官』に登場するキャラクターたちの「ことば」への偏愛的な傾倒っぷりは、伊藤計劃のそれとオーバーラップする。

 

死者の国:罪悪感と贖罪の輪舞曲

『虐殺器官』は死について、クラヴィス・シェパードの視点を通して様々な角度から描いている。幼い頃に拳銃で自殺した父、信仰を捨てきれなかったアレックス、そして母の死。セックス、ドラッグ、バイオレンスが詰まったエンターテイメント小説はないかと、ウィリアムズに訊かれたら聖書を差し出すようなユーモアの持ち主であるアレックスは、「地獄は頭のなかにある」と言っていた。

 

クラヴィスにとっての地獄は、戦場ではなく、彼の頭の中に巣食っている。度々表れる「死者の国」は、彼の抱く罪悪感と贖罪のシンボルだ。作戦前には、プロファイルを読み込んで、殺す相手の姿と人生を生々しく想像する。そして、感情適合調整によって感情を戦闘用にコンフィグし、「看過すべからざる人道的罪」のお題目の下、殺して殺して殺しまくる。

 

だが、クラヴィスはここで疑問を抱く————この殺意は自分のものなのだろうか。分が今、敵を撃とうとしているのは生存本能がなせる業なのだろうか、それともカウンセリングによってそれを刷り込まれているからなのだろうか。

 

この殺意がぼくのものでないとしたら。このユダヤ系のカウンセラーと数種類の化学物質がコーディネートした、脳の状態によるものでしかないのだとしたら。この生存への意志は本物なのだろうか。ぼくはいまここにこうやって生きている。そんな喜びは嘘っぱちなのだろうか。

本文 P.267

 

クラヴィス・シェパードは、他人の命令に従って色んな人間を殺してきた。どれだけ人を殺そうと、それは自分が決めたことではないと思うことで、責任の重圧から逃れてきた。自分の母親を言葉によって殺したのが、初めて自身の意志で下した決断だった。そして、それを自分自身の殺人として背負わなければならなかった。この罪悪感が「死者の国」となって、クラヴィスを苛む。

 

クラヴィスが心を寄せるルツィア・シュクロウプもまた、ジョン・ポールの妻子を間接的に殺した自責の念に苦しんでいる。死者に対する罪悪感にとりつかれた者同士、惹かれ合う2人。そして、ルツィアの「言葉」によってクラヴィスは「誰かに背負わされた罪ではなく、自分自身で背負うことを選んだ罪」として、これまで背負ってきた罪悪感を認めるのだ。自らの罪を背負うと決意したからこそ、クラヴィスはアメリカ合衆国の意志でもなく、CIAの意志でもない自らの意志によってジョン・ポールを殺そうと心に誓うのだ。

 

言葉と生命倫理

母の延命治療を止める際に、クラヴィスは『ミリオンダラー・ベイビー』と同じような生命倫理の問題に直面する。いったい、脳のどの部分までが機能していれば「生きている」と言えるのか。

 

どれだけの脳のモジュールが機能していれば、それを「意識」と呼べるのか。『虐殺器官』の世界では、脳は572の処理モジュールに分解できることが判明している。眠りと覚醒の間にも約20の亜段階が存在するように、意識が「ある」のと「ない」の間にもいくつもの段階が存在しているというのだ。現代のように、意識が「ある」と「ない」の2種類しかなくとも、その生命倫理は正解のないセンシティブな問題だ。これが、いくつもの亜段階をはらんでいるとすれば、その曖昧さは想像するに余りある。

 

クラヴィスは、「わたし」という意識は言葉の問題に成り果てたと語る。群衆という言葉は、具体的に何人くらいの規模から群衆という意味を成すのか。1万人なら群衆でも、10人ならどうだろうか。脳のモジュールがいくつ機能していれば、「意識」があると言えるのか。クラヴィスは「言葉」を介して、母の生死に線を引こうとする。ここでも「言葉」の持つ力が彼を苦しめることになる。

 

管理社会と自由の臨界点


<計数されざる者たち>の構成員であり、哲学者然としたルーシャスが「自由」について語る素晴らしいシーンがある。『虐殺器官』の世界では、人は生体認証によって監視・管理されることで自由と引き換えに安全を得ている。ルーシャスは、自由はバランスの問題だという。純粋な、それ自体独立して存在する自由などありえないのだと。時間という自由と引き換えに、給料という金銭的な自由を得る。これが仕事における等価交換だ。この世界はトレードオフで成り立っている。何かを犠牲にすることなくして、何かを成すことはできない。この「自由」の問題は、次作『ハーモニー』へと受け継がれている。

 

いま、ジャングルの天蓋を飛んでいった鳥は、人間のように選ぶことはできないだろう。鳥のように自由に、なんて人もいるが、それこそ鳥は、ほんとうに遺伝子に命令されてひとつしか選べない行動をとっているだけだ。

本文 P.354

 

『虐殺器官』の世界では、個人認証によってプライバシーを犠牲にすることで、完全な安全性を保障している。だが、強靭な信条から生まれるテロ行為を前に、そんな安全性は脆くも崩れ去る。自爆、特攻などのテロ行為は、追跡可能性:トレーサビリティーを度外視した自殺的行為だからだ。こういった憎しみの矛先がアメリカ本国へと向けられ、安全神話が壊される前に、虐殺を起こして当事者同士で殺し合わせる。これがジョン・ポールの動機だった。

 

作中に登場する設定リスト

 

情報軍 特殊検索群i分遣隊 アメリカ軍の特殊部隊を統べる特殊作戦コマンドにある、暗殺を請け負う唯一の部隊
空飛ぶ海苔:フライングシーウィード 輸送機。人工筋肉を使用
戦闘継続性技術:パーシステンス・イン・コンバット 「痛み」に気づくことはできるが、それを「痛い」と感じることはない
侵入鞘:イントルード・ポッド 現代でいうところの、降下作戦用のパラシュート。筋肉素材でできている。降下が完了し、廃棄モードに移行すると、特定の酵素の供給が断たれ、細胞が壊死し、すみやかに分解が行われる
体温で駆動する生体リンク 口の中でごもごもと囁かれた不明瞭で小さい声を、ソフトウェアが補修してくれる技術
環境追従型迷彩:ナノコーティング 周囲の色相をスキャンし、リアルタイムで変化するパターンを生成する
生体認証:バイオメトリクス 本人であることの証明。それを参照するための公共のデータベースがある。支払いも生体認証ひとつで済ますことができる
体内に埋め込まれたタグ 体内情報をモニタリングするセンサと協働し、個々の身体の状況を発信する
副現実:オルタナ ヘッドアップディスプレイ。アイアンマンのインターフェイスのようなもの。網膜に投射する。この設定は次作『ハーモニー』にも持ち越された
連邦統合銃火器管理タグ 発砲の一発一発を記録し、RATF:アルコール・タバコ・火器・爆発物取締局のデータベースへと送信する
情報セキュリティ会社 医療記録や、個人認証に必要な指紋・網膜・脳波・顔紋、信用状態。これらをセキュアサーバーに保存し、認証の際にアクセシブルな状態でキープしておく
肉旅客機:ミートプレーン シートには高分子素材が含まれており、これが通電することで材質変化し、衝撃緩衝用モードになる。これによって乗客にかかるG負担は大きく軽減される
時間帯同期剤:リージョンシンク 時差ボケを解消する薬
パッチ 鼻孔に貼り付けることができる小型のセンサーパッチ。空気中に漂う分子を記録する
USA:ユナイテッド・スクープ・アソシエイション 正式名称は国家防衛情報共有空間。政府関係者のためのネットワーク
爪の中に仕込まれたフェロモン トレースドッグによる追跡を可能にするパンくず
人工筋肉 遺伝子操作されたイルカやクジラの筋肉。淡水で成長できるように改造された水生哺乳類
ペインデバイス ナノマシンによって体内に激痛を走らせる
戦闘適合感情調整 神経マスカーと前頭葉局所マスキング、ウンセラーとの対話によって、戦場で予想される心理的障害を取り除く
感覚マスキング 痛みの痛覚にだけマスキングを施し、痛みの知覚だけは保存する
SWD:バカ歩きデバイス シリー・ウォーク・デバイス。シールを貼られた人間は、自分の意志ではなく勝手に歩かされる。『攻殻機動隊 イノセンス』にも似たようなものがあったような……

作品で言及されたものリスト

パスカル・キニャール「音楽への憎しみ」 巻頭の引用。フランスの小説家
ジョン・ル・カレ 言わずとしれたスパイ小説の大家。映像化した作品は数知れず
グレアム・グリーン イギリスの小説家。「第三の男」は映画化され、映画史的にも有名な作品
キャリー スティーブン・キング原作でブライアン・デ・パルマの手によって映画化。ヒッチコック愛が詰まったこの作品でデ・パルマは一躍脚光を浴びた
パブロ・エスコバル ネットフリックスのドラマ『ナルコス』のモデルにもなったコロンビアの麻薬王
ジョージ・オーウェル 『1984年』の著者。ディストピアの不完全さを描いた作家という点では、『ハーモニー』を書いた伊藤計劃も同じ
シャーリーズ・セロン 最近だと『アトミックブロンド』でKFMを駆使したアクションが記憶に新しい。体重を増減したり、眉毛を剃ったり、坊主頭にするデ・ニーロアプローチの女優。
マーズ・バー アメリカで売られているチョコレート製菓。スニッカーズと似ている
ヒエロニムス・ボッシュ ルネサンス期の画家。シュールレアリズムを彷彿とさせる明るい面妖さと精緻な美しさが同居した独特の作風
ジミ・ヘンドリックス 日本ではジミヘンの愛称で親しまれる天才ギタリスト
2001年宇宙の旅 革新的な撮影と哲学的なストーリーで魅せるSF映画の傑作。監督はスタンリー・キューブリック
アインシュタイン 相対性理論。正真正銘の天才。
人類の月面着陸 1969年、アメリカのアポロ11号が人類で初めて月面への着陸に成功した。”一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな一歩だ”
エルビス・プレスリー キング・オブ・ロックンロール
ジャン・ボードリヤール フランスの哲学者・思想家。『消費社会の神話と構造』は現代思想に大きな影響を与えたらしい。初めて知った
プリングルス ヒゲ面のおじさんがトレードマークのポテチ
スニッカーズ 食べると必ず歯にくっつくチョコバー。歯磨きの時に後悔するが、時たま無性に食べたくなる
ダンテ 地獄へ行ったことあるんじゃないのかなと思うほど、克明に描写された地獄巡り『神曲』が有名
リヒャルト・ワーグナー 北欧神話を材にとった『ニーベルングの指環』が有名。間違っても、モンストの方ではない
ベートーヴェン 学校の音楽室で私たちを睨めつけていた白髪のアイツだ
ヘミングウェイ クラヴィスの父と同じく、猟銃で自殺したアメリカ文学を代表する小説家。無駄を削ぎ落とした無骨な文体は後発のハードボイルド小説へ影響を与えた。『老人と海』『武器よさらば』
ハンター・トンプソン アメリカのジャーナリスト。2005年、拳銃で自殺
カート・コバーン 『ニルヴァーナ』のヴォーカル兼ギタリスト
バド・ドワイヤー ペンシルベニア州の第30代財務官。記者会見の最中にマグナムで頭をぶち抜いた。ググると当時の映像が出てくるので注意
エンゼルハート デ・ニーロとミッキー・ロークが共演した80年台の映画
バドワイザー 飲みやすいライトタイプのビール。最近ではコンビニでも販売している
プライベート・ライアン スピルバーグによる戦争映画。作中でクラヴィスたちが見ている冒頭の15分、ノルマンディー上陸作戦のシーンだけでも見る価値はある。長回し、望遠レンズの特性を活かしたドキュメンタリー的なカメラワーク、複数の被写体がフレームインとアウトを繰り返す。徹底したリアリズムと容赦ない残虐性で描かれた戦闘シーンは、撮影のヤヌス・カミンスキーにアカデミー賞撮影賞をもたらした
カフカ 死後に有名なった不遇な作家。『城』『変身』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン 『論理哲学論考』は三度向き合ったが、三度とも道半ばで挫折した。いつかは読み切ってみたい一冊
ハーマン・カーン アメリカ合衆国の未来学者、軍事理論家。ハドソン研究所は、彼が設立したシンクタンク。ハマーン・カーンと名前が酷似しているのは偶然か、それとも……
クロサワ映画 『7人の侍』で有名な日本を代表する映画監督。カタカナ表記でクロサワとなっているあたりが、伊藤計劃の洋画偏愛を伺わせる。(スピルバーグやルーカス、スコセッシなどのいわゆるムーピーキッズ世代の監督たちは、黒澤明監督の作品をなぜか"Kurosawa picture”と呼んでいる。"His film"でもなく"His picture"でもないのは、敬意の表れなのだろう)
ゴドーを待ちながら サミュエル・ベケットの代表作らしい。まだ読んだことがないので、近々読んでみようと思う
ノーム・チョムスキー アメリカの言語学者
サピア=ウォーフの仮説 言語はその話者の世界観の形成に差異的に関与すると提唱する仮説
コントラゲート ウォーターゲートと並ぶアメリカの黒歴史。CIAやNSCの手引きでイランへ武器を密輸出していた政治スキャンダル
パルプ・フィクション クエンティン・タランティーノの出世作。時間軸を操作したノンリニアなナラティブは、映画脚本の文法に新たな項目をつくった
ブライアン・イーノ イギリスの作曲家
ロリータ ロリコンの語源にもなった問題作。ロリコン云々は置いておいて、小説として非常に面白い
太陽の帝国 スピルバーグによって映画化された小説。映画版は日本軍がやったことの罪深さを、客観的に見ることができる
リドリー・スコット 『ブレードランナー』『テルマアンドルイーズ』を撮った天才。最近、低浮上気味なのが気になる
ビッグブラザー オーウェルのディストピア小説『1984年』の人物。社会主義構造のトップに君臨するスターリン的な人物。党がでっち上げた人物なのではないかと思う
エリック・ホッファー アメリカの社会哲学者。初めて知った
マーク・ロスコ アメリカの画家。ミニマルな抽象画は、見ればみるほどドツボにはまる魅力を持つ。一見すると誰でも描けそうだが、侮ってはならない。極限まで無駄を配した簡潔さは非凡の証しだ
エクソシスト 言わずとしれた名作ホラー映画
ケヴィン・ベーコン・ゲーム スモール・ワールド現象の指数としてケヴィン・ベーコンを用いた遊びらしい。初めて知った
初体験 リッジモンド・ハイ ケヴィン・ベーコン出てたっけ?ショーン・ペンのイメージが強すぎて覚えていない。ケヴィン・ベーコンは『フットルース』の時が一番好き
ゲーテ 『ファウスト』『若きウェルテルの悩み』で有名。耽美的な文体が心にすっと染み渡る
耳にはまぶたがない 冒頭で引用していたパスカル・キニャール『音楽への憎しみ』からの引用
ヒトラー ハイル・ヒトラー!
スターリン ヒトラーと双璧をなす独裁者
ポル・ポト カンボジアの政治家。虐殺の限りを尽くした
動物農場 鋭い政治風刺というコンテンツを動物園というディスニー的なパッケージで包んだジョージ・オーウェルの小説
マッドマックス メル・ギブソンの出世作。制作費と売上の違いが大きすぎてギネス記録に認定された
FEDEX 紫とオレンジのフォントが特徴の宅配サービス。海外版のクロネコヤマト
レミング現象 レミングは集団で水に入って自殺する、という迷信。ディズニーの記録映画がもと
モノリス 『2001年宇宙の旅』に登場する直方体の物体。無機質で半自然的なフォルムは、『インターステラー』のTarsへと受け継がれた
リゲティ・ジェルジュ 『2001年』『シャイニング』で音楽を提供した
カーツ大佐。ウィラード大尉 フランシス・F・コッポラ監督の大作『地獄の黙示録』に登場するキャラクター
モンティ・パイソン イギリスを代表するコメディー集団。テリー・ギリアムも所属している
ウォーターゲート 盗聴に始まり、ニクソンの辞任に終わったアメリカ政治の大スキャンダル。アラン・J・パクラ監督の『大統領の陰謀』はウォーターゲート事件を詳細に描いている。盟友ゴードン・ウィリスが撮りあげた職人的な映像美に酔いしれる
マーガレット・ミード アメリカの文化人類学者
トマス・ホッブズ 哲学者。内容は覚えていなくとも、『リヴァイアサン』のタイトルは高校の授業で聴いたはず

 

 

 

伊藤計劃のブログは、読み物として面白い。 亡くなる2ヶ月前、2009年1月で更新が止まっている。哀惜の念にたえない。